ばね指


ばね指とは?
ばね指とは、指を曲げて伸ばそうとした際に、弾くようなバネのような動きが生じる状態を示します。
ばね指の根本原因は?
ばね指とは、指に起こる腱鞘炎の一つです。指の曲げ伸ばし運動は、前腕と指を繋ぐ筋肉の働きによって行われています。指と前腕を繋ぐ筋肉は腱となって骨に繋がりますが、指先の運動に伴って腱が安定性を保つため、靭帯性腱鞘と呼ばれる組織で補強されています。この指の腱鞘が何らかの原因でむくんだり厚くなったり硬くなったりすると、腱鞘とその中を通る屈筋腱がこすれ合い、炎症により腫れてきます。そのため、腫れた部分が引っかかり、指を伸ばそうと強い力を加えると「カクン」と跳ねるようになるのがばね指です。
こんなお悩みはありませんか?
指の付け根における痛みや腫れ、熱感
初期ではばね指の症状は朝方が強く、日常動作を重ねることで徐々に症状が緩和されていきます。靭帯性腱鞘の中には滑膜性腱鞘があり、潤滑油の役割をしている滑液が流れています。
夜間指を動かしていないと、この潤滑油が流れず朝方動き始めが痛くなるのですが徐々に動かすにつれ痛みは改善していきます
ばね指は進行すると滑膜腱鞘も圧迫され、潤滑油である滑液が枯れてしまい、指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなります。
ばね指に対する当院の考え
ばね指は、女性ホルモンが関与していることもよく知られており、妊娠後期や更年期の女性に多く見られるのが特徴です。若い男性などでは、日常生活で指をよく使うことが原因となる場合が多く、特にキーボードやスマートフォンの入力作業が関連して発症します。
ばね指の施術としては、使用頻度を減らすことが重要です。夜間には局所に消炎鎮痛塗布剤やパップ剤を使用し、お風呂などで温めて伸展ストレッチ運動を行います。効果が見られない場合は、ステロイド注射を行いますが、2~3回施術を行っても効果がない場合、ステロイド剤がかえって腱を痛める原因となることがあるため、腱鞘切開という手術的な施術が行われることもあります。
ばね指はなぜ起こるのか?
ばね指は手の使い過ぎが主な原因で発症します。腱や腱鞘に負担がかかりすぎることで炎症を引き起こします。
具体的な例としては、キーボードやマウスの操作、ゴルフやテニスなどの手を使うスポーツ、ピアノなどの楽器演奏、洗い物などの家事が挙げられます。
また、女性の場合、妊娠中や産後、更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期には血行不良によって腱鞘が狭窄しやすく、その結果、ばね指を発症するリスクが高くなります。
さらに、関節リウマチや糖尿病は末梢の血行不良が見られるため、ばね指が発症するリスクが高まります。
靭帯性腱鞘はベルトとベルト通しの関係に似ており、指の付け根付近に力がかかりやすく、炎症を引き起こしやすい部分があります。
ばね指を放っておくとどうなるのか?
ばね指の状態が長期間続くと、指の第2関節(PIP関節)が硬くなり、他の指の動きにも影響を与えることがあります。その結果、握り込みができなくなり、握力が低下することがあります。また、PIP関節に変形が生じる可能性もあり、手術を行っても十分に改善が期待できない場合もあります。ですので、ばね指の可能性がある場合は、なるべく早期に施術を受けることをおすすめします。
ロッキングという状態では、指が引っかかったまま放置されることがあります。
人間の指はお互いに協力して動くため、1本だけの腱鞘炎でも、隣の指に影響が出ることがあります。例えば、薬指のばね指が悪化すると、中指や小指も曲がりにくくなり、握力が低下することがあります。
ばね指に効果的な当院の施術メニューは?
ばね指に効果が期待できる当院の施術メニューは、ストレッチやEMS(電気療法)です。
ばね指は腱と腱鞘が擦れて痛みを感じたり、指の付け根にあるA1プーリという場所で引っかかりが生じることで発症します。そのため、指の伸展ストレッチ運動や筋力トレーニングを行い、引っかかりを中・長期的に軽減していく方法があります。
また、ばね指は炎症が起きているため、炎症を軽減するためにEMSの電気療法を施します。
物を持てない、仕事に支障が出るほどの強い痛みやばね指を繰り返している場合には、ステロイド注射が効果が期待できる場合があります。肥厚している部分に直接ステロイド剤を注射し、沈静化することが可能です。
その施術を受けるとどう楽になるの?
指のストレッチや筋力トレーニングを行うことにより、中・長期的なリハビリが可能となり、痛みの軽減が期待できます。こういったリハビリテーションは、ステロイド注射のような即効性はありませんが、中・長期的に見るとリハビリテーションによる施術が最も効果が期待できる方法です。痛みが発生したきっかけがない方は、右肘外側部への負担が原因の一つとなる場合がありますので、負担がかからないようにリハビリテーションを行います。
指のストレッチは、リラックスさせた状態で手関節背屈位でMP・IP関節を進展させながら行います。
ばね指を軽減するために必要な施術頻度は?
ばね指を軽減するために必要な施術頻度は、最低でも1週間に1度、できるだけ頻繁に通院できる方は1週間に2~3回です。ばね指のリハビリは、中・長期的に行っていくことが重要ですので、期間も長めに見ていく必要があります。痛みが強い場合は、毎日でも続けて施術を受けることで、軽減が期待できます。
ばね指を動かさずに放置しておくと、関節が硬くなる拘縮が起こることがあります。拘縮が起きると施術はさらに困難になるため、その前に早期の施術が大切です。